ミニゲーム1に挑戦


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シーン1:
ふらふらと散歩をしていたら、まだ若そうな猫妖精が熱心に呼びかけているのに気づいた。
だが、あいにく猫の言葉はわからない。
少し考えて、言葉を紡ぐ。

「ねこのこえ ひとのことばに ほんやくす」

ニャアニャアとしか聞こえない鳴き声が、頭の中で意味をなしていく。
はたして猫妖精は一人の女の子を元気にしたいと伝えていた。

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シーン2:
猫を肩に載せて、案内されたその公園にはベンチに座る一人の少女がいた。
その顔はなにかに戸惑っているようで、不安の色が見て取れた。

怖がらせてしまわないかと心配しながら声をかける。
同時にニャーと鳴いた猫のおかげか。少女は少し驚いただけで逃げたりはしなかった。
その様子に軽く安堵し、この猫が君を元気づけたいらしい、と伝える。

「すこしだけ ねこのことばを そのみみに」

ニャアニャアという鳴き声が少女にも意味をもつものとして聞こえるようになる。
実際にどんなことを言ったのかはあえて聞き取らなかったが、少女の表情が柔らかくなったのを見て胸をなで下ろした。


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シーン3:
若い猫妖精の励ましで元気を取り戻した少女から事情を聞いたところ、どうやら自分はもう死んでいるようだがどうすればいいのかわからず困っているという。
そういうことならばと、口を開く。

「にじのはし わたっていこう てんごくへ」

言い終えると、少女の足下から緩やかに傾斜した虹の橋が空へと伸びていく。
その先は見えないが、ある程度進んだところで天に上るようになっている。この橋は道導のようなものだ。
少女はつかのま猫妖精との別れを惜しむと、手を振って虹の橋を歩んでいき、やがて橋ごとその姿は消えていった。


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シーン4:
少女の霊を送り出し、これでよかろうと猫とうなずき合っていたが、不穏な気配に気づいた。
猫も背中の毛が立っている。

周りを見れば、亡霊か悪霊か、どう呼んでも変わらない禍々しいもの=魔が現れていた。
ほんの少し現世と死者の国がつながった間にこちらに移ってきたのだろう。
お粗末な経緯の割りに放っておいてはしゃれにならない存在である。
荒事は得意じゃないんだがとこぼしながら、腕をまくる。

「へいていす まのことごとく このうでで」

その後は、現れた魔を片っ端から殴り、あるいはラリアットで叩きのめしていく泥臭い展開であった。


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シーン5:
どうにかこうにか魔を物理的手法で叩きのめして収めたものの、
一度こういうものが出てしまった場所の近くに魔術師がいるのは、向こう側に妙な影響を与えかねず良くないのだ。
これはしばらく旅に出ないといけないなととため息ひとつ。
まあ、もともと散歩の途中だった。その道のりが少々、いやだいぶだろうけど、のびてしまっただけだ。

「でておいで かばんにつめた たびどうぐ」

いつでも旅に出られるように準備をしておくのが魔術師の嗜みだ。と師匠の言葉を思い出しながら、中身がパンパンに詰まった鞄を持ち上げる。
そういえば、といつの間にかまた肩に戻っていた重みの主を見やると、ニャンと返ってきた。
一人じゃ寂しかろうとでも言うのか、どうやらついてくるつもりらしいことがわかった。まあ、それもよかろう。


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シーン6:
さて、旅に出るとなったら置き土産をしていかねばなるまい。
立つ鳥跡を濁さずと言うが、魔術師は笑顔とちょっとした軌跡を残していくものと相場が決まっている。らしい。

魔を相手に取っ組み合いをしているうちに、ずいぶんと時間が経っていたようで、空の色は夕から夜へと変わっていく最中だった。
星を見上げるにはまだ少し早い時間だけれど、だからこそふと見上げたものへの贈り物になるだろう。

「ぐんじょうの そらにえがこう ほしのあめ」

まだ夕焼けがかすかに残る空のてっぺんに、気象台の予定にない流星雨がしばし現れ、
それが終わる頃には魔術師と猫の姿は町から消えていた。


終わり


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